2017年 古都・京都に触れる旅

東京すし和食調理専門学校古都・京都に触れる旅 研修旅行 8月21(月)~24日(木)

2017年の夏(8/21~24)に実施された
東京すし和食調理専門学校の京都研修旅行記。
茶道の聖地である大徳寺や清水焼きの五条坂(茶わん坂)、
京都の奥座敷・貴船などの、さまざまな体験を学生にレポートしてもらいました!

1日目
大徳寺~茶室体験

  1. 大徳寺通りにある「大徳寺 一久」にて“精進料理”

    研修旅行初日の昼食は、大徳寺通りにある「大徳寺一久」にて“精進料理”をいただきました。

    こちらは500年以上前から一子相伝で受け継がれてきた歴史あるお店。その貴重な調理方法や、しきたりなども教えていただきました。

  2. 精進料理

    “精進料理”と聞くと、「少量で味気ない…」というイメージがあったのですが、京都で採れた野菜や山菜を使ったお料理はどれも美味しい!
    特にきのこや昆布などからとった精進出汁は、普段私たちが使うお出汁とは全然違い、とても勉強になりました。

  3. 大徳寺納豆

    食後には和菓子とお抹茶もいただきました。黒文字楊枝の下にある黒い粒は、こちらのお店の名物「大徳寺納豆」。普段食べている粘り気のある納豆ではなく、古来より食べられてきた塩味の納豆で、この納豆を伝えたのは、かの有名な一休宗純だそうです。

  4. 大徳寺・聚光院

    昼食を終え、「大徳寺・聚光院」の見学へ。
    こちらは、千利休の菩提寺であることから、詫茶(わびちゃ)の聖地とされています。
    今回は特別に、通常非公開の本堂と茶室を拝観させていただくことができました。
    ※特別拝観のため写真は撮れず!…残念…!

  5. 「一保堂茶舗」での茶席体験

    茶道の精神を感じながら次に向かうは、2年生の授業でもお世話になっている「一保堂茶舗」での茶席体験!
    「お菓子を頂戴する→お点前を頂戴する→お抹茶を頂戴する」という3つの流れを教えていただきました。その際、煎茶の飲み比べもしたのですが、同じ茶葉でも、お湯の温度や淹れ方で味が変わるんです!心で飲むお茶は、深い味がしました。

2日目
茶わん坂~料亭体験

  1. 清水焼・京焼専門の陶器店や陶芸作家の工房

    2日目に向かったのは、五条坂から清水寺へと続く「茶わん坂」。清水焼・京焼専門の陶器店や陶芸作家の工房を訪問し、製造工程や歴史を教えていただいたり、ろくろ体験をすることができました。
    職人さんの手で作り上げる器一つひとつに魂が込められていると知り、盛り付ける私たちの料理が器に負けないように、1品1品を大切に調理しなければと改めて思いました。

  2. 河井寛次郎記念館

    それから「河井寛次郎記念館」を見学。
    大正時代から昭和時代にかけて、京都を拠点に活躍した陶芸作家“河井寛次郎”の作品や登り釜を見学。こちらの記念館は河井氏が設計した自宅で、当時の暮らしをそのまま感じることのできる静かな空間が広がっていました。

  3. 享保7年(1722年)創業の有職料理の老舗料亭「萬亀楼」

    夕食は、享保7年(1722年)創業の有職料理の老舗料亭「萬亀楼」へ。
    ※有職料理とは、平安時代から続く伝統的な宮内での節会料理の1つです。

  4. 食の儀式である「式包丁」を見学

    お料理をいただく前に、食の儀式である「式包丁」を見学。この儀式では、右手に包丁、左手に箸を持ち、食材に直接手を触れずに切り分けて、美しく並べていきます。これまで食材に触れずに切ることは、やったことはもちろん、見たこともなかったので、高い技術と神聖な時間に圧倒されました。

  5. ハレの日のお祝い料理

    1日目の精進料理とは違い、2日目はハレの日のお祝い料理となるので、旬の魚や野菜を使った贅沢なお料理でした。
    味も美味しく、器や盛り付けも非常に美しくて、日本料理の素晴らしさを感じることができました。

3日目
自由行動

  1. 平等院鳳凰堂

    3日目は、自由行動だったので、先生と先輩と一緒に行動!
    日中は“平等院鳳凰堂”や“清水寺”を見学し、お土産屋さんを渡り歩く、いわゆる京都観光を満喫。
    やはり写真やテレビで見るのとは全然違いますね。もっと日本を知りたくなりました。

  2. 鮓 かわの

    夕食は、下鴨にある「鮓 かわの」を訪問。
    自由に夕食を食べられるのは3日目だけ。僕は“すし職人コース”の学生ということもあり、この研修旅行で最も楽しみにしていたのが、こちらのお店だったんです。
    店内はカウンター9席のみで、内装も純和風で美しく、こだわりを感じる器などが飾られ、入店しただけで特別感を味わうことができました。

  3. 北海道産のムラサキウニと天草産(熊本県)のアカウニの2種類を重ねた握り鮨

    お料理は、お任せコースを注文。
    お造りも握りも、1品ずつ丁寧に仕事(仕込み)がされていて、とても美味しかったです!
    特に、ウニの握りには感動しました。北海道産のムラサキウニと天草産(熊本県)のアカウニの2種類を重ねた握り鮨なのですが、それぞれの味と食感をしっかりと楽しんでもらえるように工夫がされているんです!

  4. ネタとシャリを合わせるシンプルな料理”

    ネタとシャリを合わせるシンプルな料理だからこそ、試行錯誤をして辿り着く“究極”があるのだと改めて感じました。

4日目
貴船・川床料理体験

  1. 貴船

    研修旅行最終日は、京都の奥座敷「貴船」に行きました。8月の暑い時期でしたが、鴨川の源流の1つである貴船川では冷たい水が流れ、たくさんの木々に囲まれている貴船はとても涼しい!むしろ少し寒いくらいでした。
    どこに行っても暑い京都でしたが、涼しさを感じる貴船だけはみんなの足取りも軽かったように思います。

  2. マイナスイオンを感じながらいただく川床ランチ

    昼食は、マイナスイオンを感じながらいただく川床ランチ!
    自然の中で食べる昼食は、とても気持ちがよかったです。食材の仕込みももちろん大切ですが、“食べる環境”も美味しさに繋がる、欠かすことのできない要素だと感じました。

最後に

1・2年生合同で実施した今回の研修旅行。普段なかなか話すことのない先輩・後輩とも仲良くなれたようで、学年を超えたコミュニケーションを図ることができました。また、日本料理を学ぶ学生にとって、伝統的な食文化のある京都を訪れたことは“食”だけではなく、その背景にある“歴史”、“伝統”に触れる良い機会となりました。今後の「和食料理人」「すし職人」としての成長に大きく繋がることを期待しています! 4日間、皆さんお疲れ様でした!