卒業生紹介

和食で切り拓く 僕らの未来

Case 01

家族の顔合わせの食事会で
オリジナルの八寸を提供できた

駒崎 美波さん
(和食研究科’19年卒)

日本料理 和田倉 (パレスホテル東京)勤務

東京都心、格式あるホテルの日本料理店が駒崎さんの職場だ。担当するのは八寸場。毎月変わるメニューに応じて、季節感を演出する盛り付けを行う。「何百人分という数を用意しなければならないのが大変ですね。仕込みも2~3日後の予約を見ながら行っています」。

うれしい出来事もあった。結婚を控えた姉が、両家の顔合わせにこの店を利用してくれたのだ。「八寸は好きなように盛り付けていいよ」と料理長に言われ、自分で考えた八寸を席に運び、料理の説明をした。お祝いの席が笑顔であふれた。

自分で判断して動けることも増えてきた。今の目標は、店内にふたつあるというカウンターのなかで仕事をすることだ。「お客さまの反応を見ながら料理ができたら楽しいだろうな、と」。1日1日が成長の糧となっている。

日本料理 和田倉

東京・丸の内に位置するパレスホテル東京。和田倉は、旧パレスホテル時代から会席料理の名店として愛されてきた。店名の由来となっている「和田倉濠」と「和田倉橋」を望みながら、伝統的な日本料理を堪能できる。https://www.palacehoteltokyo.com/restaurant/wadakura/

Case 02

サービスも褒めていただけるよう
心のこもった接客を

青木 大也さん
(和食調理科’19年卒)

日本料理 太月 勤務

就職して1年、新人として多忙な日々を送る青木さん。大根おろしなどの簡単な仕込みからスタートし、3カ月目からは魚も触らせてもらえるようになった。「魚を下ろす技術もまだまだですが、先輩から『うまくなったね』などと声をかけてもらうとすごくうれしいです」。

接客も大切な仕事の一部だ。「最初は緊張してガチガチだった」けれど、最近ではお客さまとの会話を楽しむ余裕も生まれた。「味だけでなく『サービスもよかった』と感じていただけるように、お客さまのお顔を覚えるなど気を配っています」。

走り続けてきた1年間は「本当に、一瞬だった」。今、目の前にある目標は、盛り付けをひとりでできるようになることと、扱える魚の種類を増やすこと。「一つひとつ、できることを広げていきたいですね」。

日本料理 太月

東京メトロ「表参道」駅から徒歩5分。青山通りから一本路地を入った閑静な立地で、正統派の日本料理を味わえる。昼・夜ともに全国の産地から取り寄せる旬の食材をふんだんに使ったコース料理を楽しめる。ミシュラン東京一ツ星に格付けされている。https://tagetsu.tokyo/

Case 03

「やらせてもらえる」環境のなかで
自分にできることを増やしたい

國友 和弥さん
(和食調理科’18年卒)

箱根強羅 深山 勤務

箱根湯本の喧騒から離れ、山あいにひっそりと佇む和風旅館「深山」。その宿泊客に極上の食事を提供するのが國友さんの仕事だ。職場は少人数なので、「いろいろやらせてもらえるのはうれしいですね。その分、早く技術が身につきますから」。多いときには一度に200人分もの食事をつくるため、スピードも求められるが、手は抜けない。「どうやったら早く、かつ美しくできるかを、つねに考えながら作業をしています」。

今の目標は、自分のできることを増やすこと。「煮方とか味つけに関わる部分はまだまかせてもらえないので、早く覚えてできるようになりたいですね」。この仕事にはどんな人が向いていると思うかという問いに、「真面目に努力できる人」と答えた國友さん。飄々とした笑顔の裏には、着実に努力を積み重ねてきた自信があった。

箱根強羅 深山

雄大な大自然を見ながら源泉掛け流し温泉を楽しめる箱根強羅の温泉旅館。地元足柄と相模の滋味豊かで新鮮な魚介の幸と、地元産の野菜、採れたての山の幸など厳選した素材を使用し、丁寧に実直に、創意と工夫を凝らした懐石料理を提供。http://hakone-shinzan.com/top.html

Case 04

最適なタイミングで
最高の料理を提供するために

渡邉 ひかるさん
(和食調理科’19年卒)

御料理 辻 勤務

カウンターと個室の落ち着いた空間で、洗練された和食を提供する御料理「辻」。渡邉さんは、働きはじめて半年も経たずに焼き場をまかされた。心がけているのは「常に全体に目を配ること」だという。「コースも複数ありますし、お客さまによって召し上がるスピードも違う。最適なタイミングで焼き上がるように、時間や順番を考えながら作業をすることが大事なんです」。

次世代に伝えていける食文化を学びたい、と和食の道へ。大将の技を間近で見て学ぶことも多いという。「器の使い方や繊細な盛り付けなど、どれも私の想像を超えていて、毎日が発見の連続です」。花を生けたりお香を焚いたりといった、さりげない気遣いやおもてなしの心も学んだ。「何でも吸収したい」。そのまっすぐな思いが渡邉さんの原動力だ。

御料理 辻

麻布十番エリアのほど近く、閑静な住宅地にひっそりと佇むミシュラン一ツ星の名店。落ち着いた雰囲気の店内は、聚楽壁・瓦材の床・多様な木材による純和風の内装。産地直送の旬の食材を取り入れた料理を、店主が趣味で集めているという骨董の器とともに楽しむことができる。https://oryouritsuji.jp

  • Case 05

    魚を扱えるようになって
    すし職人としてのスタートに立てた

    三浦 太照さん
    (和食調理科’18年卒)

    鮨 よしたけ 勤務

    現在の仕事の中心は、仕込み。2年目にしてやっと、魚に触らせてもらえるようになった。「親方が練習用に魚を仕入れてくれるんです。今はコハダの仕込みを練習しています」。もうひとつの大きな仕事は「まかない」だ。限られた予算のなかで献立を考え、毎日9人分のまかないをつくる。「ときには厳しいダメ出しもありますが(笑)、皆さんの夜までの仕事を支える大事な食事なので、手は抜きません」。

    「練習用」のコハダは、だいぶ上達した。次は「お客さま用」のコハダを、その次は別の魚を練習してできるようになりたい。「このお店ならではの仕込みの技術を、1日も早くマスターしたいですね」。

    鮨 よしたけ

    銀座の鮨の名店と言われる「よしたけ」は、2004年に六本木で開業。2009年に銀座に移転し、2019年1月から銀座7丁目の新店舗で営業している。店主吉武氏の熟練の技が光る江戸前鮨は食通たちをうならせる。ミシュランガイド東京で9年連続三ツ星に輝く名店。http://sushi-yoshitake.com/

  • Case 06

    カウンター越しの自然な会話も
    すし職人の技量のひとつ

    髙萩 康平さん
    (和食調理科’18年卒)

    すし割烹「翁鮨」
    (ホテル阪急インターナショナル) 勤務

    大阪の中心地に建つホテル内の鮨店で働く髙萩さん。仕込みの補助からスタートし、今ではカウンターのなかでにぎれるまでになった。とはいえ「接客はめちゃくちゃ緊張する」と髙萩さん。自然な会話ができるよう、ニュースや天気予報、近隣のお店の評判など情報収集を欠かさない。効率よい動きも課題のひとつだ。「にぎりながら穴子を焼いたり、お客さまに応じて出すものを変えたり。先輩方の動きを見て学んでいます」。お客さまと接するほどに、「もっときれいににぎれるようになりたい」という思いも強くなった。国内外から多くの人が訪れるこの場所で、すし職人としての第一歩を踏み出している。

    すし割烹「翁鮨」

    国内屈指のホテル運営・管理を手がける「阪急阪神第一ホテルグループ」のホテル阪急インターナショナル内に構えるすし専門店。四季折々の旬の素材を職人の繊細な技で提供するにぎり鮨を中心に割烹料理も楽しむことができる。https://www.hankyu-hotel.com/hotel/hh/hhinternational/restaurants/okina

  • Case 07

    夢だったすし職人の道
    海外で旬の魚のおいしさを伝えたい

    大日向 哲平さん
    (和食調理科’18年卒)

    富寿し シンガポール KATONG 店 勤務

    日系の和食・すし企業の出店が多く、アジアの激戦区といわれているシンガポール。この地で長年の夢だったすし職人としての道を歩みだした大日向さん。現在は、カウンターですしをにぎるかたわら、食材の発注、現地スタッフの指導、店舗の運営をこなす日々。「シンガポールの方はすしの認知度も高く、舌が肥えている方が多いため、仕入れの食材を吟味すること、仕込作業に手間をかけることがとても重要なんです」。自分が自信を持って仕入れた魚をお客さまに「おいしい」「また来ますね」と言っていただけたときが何よりもうれしい瞬間だそう。今後も自分のお客さまを増やすため、技術向上に余念がない。

    富寿し

    1954年創業。新潟県を中心に上信越エリアで21店舗、シンガポールで5店舗の寿司・和食店を展開する株式会社宮崎商店の老舗寿司店。日本海沿岸の豊富な漁場に恵まれた地域特性を活かし、新鮮な地魚をさまざまなメニューにて提供。https://www.tomizushi.com/

  • Case 08

    スピードが求められるプロの世界で
    さらなる高みを目指す

    菊地 倖平さん
    (和食調理科’18年卒)

    きづなすし 西新宿店 勤務

    食べ放題が人気の「きづなすし」。活気あふれる店内で、菊地さんはホール、仕込み、にぎりとオールマイティに仕事をこなす。現場ならではの厳しさは、大量の魚をスピーディにさばくことが求められる点だ。毎朝シャリを炊くかたわら、10kg単位で届く魚を次々とさばかなければならない。早く戦力になりたいと、自主練習も重ねた。その努力と実力が認められ、数カ月でカウンターでにぎらせてもらえるまでに。「『おいしかった』というお客さまの声が励みになります」。現在は社内の板前試験に向けて練習中。「目標は料理長です!」。野心とたゆまぬ努力で、さらなる高みを目指していく。

    きづなすし

    首都圏・関西圏を中心に200店舗以上の飲食店を経営するSFPホールディングス(株)のすし専門店。新鮮さが自慢のうまいすし店として都内、埼玉県に4店舗を構える。「寿司食べ放題」が子どもからお年寄りまで幅広い年代に大人気。https://sfpdining.jp/brand/kizunasushi/

  • Case 09

    伝統ある日本旅館で
    調理技術とおもてなしの心を学ぶ

    鍾 政澤さん
    (和食調理科’19年卒 台湾出身)

    株式会社 加賀屋 勤務

    能登半島・和倉温泉の老舗旅館で働くショウさん。入社して1年、出汁引きから煮方の下ごしらえ、お食事処での焼き場担当など、まかされる仕事が増えているという。 「台湾の加賀屋で働いた経験があるので、ぜひ本場・日本の加賀屋で働いてみたくて」能登へやってきた。早番の日は朝食のみそ汁を担当する。多いときは約1,000人分だ。当初は日本語でのコミュニケーションにも苦労した。「最近はなれて、いろいろ質問できるようになり、日本料理の技術や知識を学んでいます」。いつかは台湾で和食料理店を、という夢に向けて、毎日が勉強だ。

    株式会社 加賀屋

    創業明治39年、創業110年余りの老舗旅館。「お泊まりになる方すべてに心よりくつろいでいただきたい」という創業時からの思いを実現するおもてなしが国内外から絶大な支持を集めている。料理は季節の恵みを生かした和食が基本。春夏秋冬の食材を吟味し、加賀屋ならではの味で提供している。https://www.kagaya.co.jp/company/

  • Case 10

    四季の自然が豊かな環境で
    懐石料理の腕を磨く

    チョイ ウェイキンさん
    (和食調理科’19年卒 マレーシア出身)

    箱根強羅 白檀 勤務

    チョイさんの毎朝の日課は、一番出汁、二番出汁を引き、料理長に味を見てもらうこと。「毎日やるうちに、少しずつ、繊細な味の違いがわかるようになってきた」という。働きはじめて半年で「煮方をやってみないか」と料理長に言われた。不安もあったが、「失敗も勉強のうち」と言ってもらえる環境のなかで、チャレンジを続けている。

    箱根の環境が大好きだとチョイさんは言う。「空気がきれいで、春の桜や冬の雪景色など、四季を感じることができるから」。心がけているのは、丁寧な仕事をすること。「料理長のような技術を身につけられるよう、経験を積んでいきたいです」。

    箱根強羅 白檀

    源泉かけ流しの露天風呂と趣向を凝らした懐石料理を楽しめる旅館。自然と一体化したシンプルモダンな和の空間でくつろぎの時間を送ることができる。料理は地もと真鶴、相模湾、箱根伊豆の海と山の食材を中心に、日本の旬を厳選してつくり上げる本格懐石。朝食には土鍋炊きご飯を味わえる。http://www.byakudan.co.jp/

  • Case 11

    卒業後すぐに、
    夢だった自分のお店を開業!

    金 大原さん
    (和食調理科’19年卒 韓国出身)

    食楽 店主

    自分のお店を持つことが夢だった。卒業後、すぐに物件探しをはじめた金さん。金浦空港近くのビジネス街に着目した。日本でのアルバイト経験も活かし、ビジネスマンのランチで勝負を考えた。店の近くにはテレビ局もあるため局員や記者の方も多い。店はひとりで調理から接客をするためメニューは3つのみ。「お客さまがおいしいそうに召し上がっている姿をみるとやりがいを感じます。最近では、たくさん写真をとってブログやインスタグラムに投稿してくださる方も増えてきました」。金さんの次の目標は、オンライン化が進む韓国で、独自のソースやたれを開発し販売することだ。

    食楽(shoku_raku)

    金浦空港近くのビジネス街にあるどんぶり専門店。熟成サーモン丼、炭火焼き穴子丼、まぐろ丼の3種を展開。インスタグラムなどで評判となり、オープン前より列ができ、常に満席となる人気店。<Instagramアカウント @shoku_raku>

  • Case 12

    中国で本格的な
    日本料理を広めたい

    馬 叡さん
    (和食調理科’19年卒 中国出身)

    元善新派日式料理 勤務

    馬さんは卒業後、母国中国へ帰国し、瀋陽の日本料理店『元善新派日式料理』で料理長を務めている。出張で中国を訪れる日本人のお客さまも多いそう。「若い料理長なうえ、中国人なので大丈夫?と思われることも少なくありませんでした。でも実際に私の料理を食べて納得していただけたときはとてもうれしかったですね。今では常連さんとして何度もお越しいただいているお客さまもいます」。学校で学んだ日本酒や器の知識も役立っており、最近では仕入れなどもまかされている。「中国で日本料理の魅力を多くの人に知ってもらうことが私の夢です」。馬さんの夢が実現しはじめている。

    元善新派日式料理

    2019年10月にオープン。居酒屋が多い瀋陽のなかでは、数少ない本格的な日本料理のコースを提供するお店。馬さんのほか、東京すし和食調理専門学校で和食を学んだ中国人が数名在籍している