
かわらや(渋谷)の
A定食(鯖の塩焼き)880円

「C、しお、なっチェン!」
……これが私の「かわらや」での昼メシの合言葉です。
「かわらや」のランチメニューはいつもA・B・Cの3種類の定食。B定食は焼肉・ハンバーグ・カレーといった「がっつり系」。A定食とC定食は主菜が同じで副菜が少し違います。主菜は鯖の塩焼きか味噌煮であることが多く、Aの副菜には手作りコロッケや焼き肉、Cの副菜には冷奴がつきます。この冷奴は、同じ値段で納豆に変えることもできます。
「かわらや」のランチメニューはいつもA・B・Cの3種類の定食。B定食は焼肉・ハンバーグ・カレーといった「がっつり系」。A定食とC定食は主菜が同じで副菜が少し違います。主菜は鯖の塩焼きか味噌煮であることが多く、Aの副菜には手作りコロッケや焼き肉、Cの副菜には冷奴がつきます。この冷奴は、同じ値段で納豆に変えることもできます。
もうお分かりですね。私の注文「C、しお、なっチェン」とは、「C定食の鯖の塩焼きで冷奴を納豆にチェンジしてください」という意味になります。

この「かわらや」で旨い昼メシを食べるようになってから、もう25年以上になります。ということはこのお店ができた直後くらいからずっと私の大事な昼メシスポットなのです。私がこの「かわらや」にそれだけ長く通っているには、それなりの理由があります。
「早い! 安い! 旨い!」
「かわらや」の昼メシの魅力の第一は、とにかく料理の提供が早いこと。授業が延びて昼休みが短くなったときでも、「かわらや」ならば大丈夫。人気のランチはいつも入口に数人の入店待ちができていますが、その列に並んでいるときにお店の方に例の注文を一声かけます。そして10分ほど待って着席すると、同時に注文したC定食が目の前に登場するのです。長い「かわらや」昼メシ体験の中で、5分以上待たされた記憶はありません。
第二の魅力は、価格がお財布にやさしいこと。私の注文するC定食がなんと780円! 名の知れたラーメン屋さんの1杯分よりはるかにお得で栄養バランスもバッチリ。そして、もちろん「旨い」んです!
本日はA定食「鯖の塩焼き」をいただきます
本日の昼メシはA定食の「鯖の塩焼き」。「なっチェン」はありません(笑)。主菜は鯖の塩焼きです。副菜が贅沢にも豚の冷しゃぶ、ゴマ風味ドレッシング掛けに手作りコロッケの二品。まさに肉あり魚ありの豪華版です。主菜一品、副菜2品、汁物一椀にご飯と漬物。和食の基本である「一汁三菜」の形式に見事にのっとっている定食です。
まずはいつもついてくる「味付け海苔」を袋から出して、その小皿にお醤油をちょっと落とします。そして味噌汁に七味唐辛子を少しふりかけ、お箸でレモンを絞りかければ準備完了。

味噌汁を一口すすって口を和ませ、鯖の塩焼きの側線に沿って箸を入れます。分厚い鯖の身を一口食べてご飯を頬張る。鯖の脂の甘さと旨味に塩気が加わり、ご飯によく合う。
クーッ、たまらない! もうお箸が止まりません。
クーッ、たまらない! もうお箸が止まりません。

和食の命は「米」と「出汁」
主菜や副菜の豪華さもさることながら、私にとっての「かわらや」の旨さのポイントは、なんといっても「固めに炊いたご飯」と「しっかりと出汁の効いた味噌汁」です。好みもあるとは思いますが、東日本出身の私は主食の白米は固め炊きが好みです。また、いくら具がたくさんでも、出汁味の薄い味噌汁はとても残念な気持ちになりますよね。その点この「かわらや」はすべて満点! やはりご飯と味噌汁は和食の基本ですね。

今日の昼メシも大満足!
最近は池尻校にいますので、来る機会が少なくなってしまいましたが、今日は久しぶりに「かわらや」で昼メシが食べられて大満足です。長く続くお店にはそれなりの理由や秘訣が必ずあります。それを探すのも面白いですね。

今日も旨い昼メシにありつけました。食べることは健康への第一歩であり、活力の源です。
「C、しお、なっチェン!」。皆さんも是非一度トライしてみてください。
ごちそうさまでした!(渡辺勝)
「かわらや」は、渋谷駅から明治通りを原宿方面へ300メートルほど先の場所にあります。界隈は2020年に開業したMIYASHITA PARKや、アパレル系のショップが立ち並び、東京でも屈指のファッションや文化の発信地。この若者が多く行き来するエリアに突如「和」をメインにした居酒屋兼食堂があることは、地域の人以外なかなか気づかないかもしれません。でも何故この場所に? 店主の太田信二さんに聞きました。「もともとうちの祖父の世代まで、この場所で『瓦屋』をやっていたんですよ。『瓦』っていうのは屋根の『瓦』ね(笑)。その名前を私がもらって、今から27年前に居酒屋兼食堂を出しました。こうやって27年もお店を続けられているのは本当にありがたいことです」(太田さん)長きにわたってお店が愛され続けている理由は、渡辺学長のコラムの通り「早い! 安い! 旨い!」にあるようです。「『かわらや』を始めるまで様々な飲食業で働きました。天ぷら割烹、お弁当屋さん、ビアホール、それから牛丼の吉野家にも。この経験で言うと、作り手がこだわって出す料理よりも親しみやすく、早く出せる料理のほうが良いなと思って、こんなメニュー展開にしています。お客さんの大半は常連さんですけど、会社員の方(1キロ近く離れた)NHKのほうから来てくださる方、周辺の『ショップ』の若い方など本当に様々です。かといって一見さんお断りというわけではないので、どうか気軽に起こしいただければ嬉しいですね」(太田さん)移り変わりが激しく、派手にも思えるこのエリアでいただける「かわらや」の和定食の数々は「早い! 安い! 旨い!」に加え、近隣の人たちの心をホッと癒してくれる味でもありそうです。

渋谷・かわらや
■住所:東京都渋谷区神宮前6-23-7 神宮前太田ビル 1F・2F
■電話:03-5467-4758
■営業時間:月曜日~金曜日ランチ 11:30-14:00ディナー 17:30-23:00(L.O フード21:45 ドリンク22:30)
■定休日:土曜日・日曜日・祝日
■予約:予約可
■アクセス:各線渋谷駅より徒歩6分、原宿駅・明治神宮駅より徒歩8分
■ホームページ:http://www.shibuya-kawaraya.com/